はじめての九州 3日目
そして ながさき へ。
長崎へ
博多周辺は1日、天神の都会っぷり、港町の雰囲気、福岡城跡、そして太宰府と見てきました。
一通り見て回ったかな、という感じもしてきましたし、何より大都会なので、もう少し東京とは異なる雰囲気の街に行きたいと思ってきました。手元にある観光本の長崎の景色が目に止まったので、急遽長崎に向かうことにしました。
博多バスターミナルで長崎行きの高速バスのチケットを購入し、博多に別れを告げます。
博多で思ったことは、韓国人が非常に多かったこと。聞けば、博多から釜山まで、ジェットフォイルで3時間ちょっとで着いてしまうようです。東京人が箱根とか熱海とか行くような感覚で来られるのかもしれません。
そういえば、職場の九州出身の先輩がとにかく「博多は美人が多い」と言っていました。一般的にもそうい言われているようですが、人の顔はどこ行っても変わらない、というのが正直な私の感想です。後に聞いたところ、「方言でしゃべるのが可愛い」とのことでしたが、あいにくビジネスの拠点になるような都市で、全国から集まったサラリーマンが多く、博多弁を聞く機会は残念ながらありませんでした。ただのノスタルジーな気がしますが、そんなことをいったら怒られてしまうかもしれません。
長崎駅
そんな事を考えながらバスに2時間半ほど揺られ、長崎駅に到着です。最近新駅舎になったと聞きました。もうこの景色が見られないと思うと感慨深いものがあります。
チンチン電車で大浦天主堂に向かう
とても天気が良く、2月だというのにとても暑かったのを覚えています。博多で新調したジャンパーを脱ぎ、パーカー一丁で行動することにします。そして駅で路面電車の乗り放題券を買います。この路面電車はとても良かったです。観光にも便利ですが、本数もそれなりにあり、市民にとっても快適な移動手段であることを感じられました。
路面電車に乗り、国宝・大浦天主堂方面に向かいます。長崎の観光名所はこの周辺に多いようです。まずは新地中華街でおります。
横浜の元町中華街と比べると規模は小さいですが、横浜ほど観光地化されておらず、結構本格的です。昔ながらの中華街といった感じです。露店で怖そうなおばさんが謎肉を焼いてて、前を通ると真顔で怒ったような口調の中国語で声をかけられるような、、、当時の華僑の子孫がやっているような雰囲気がいいですね。 謎肉の入った肉まんを頬張りながら、グラバー邸に向かいます。
おそらくグラバー邸の裏側だったかと思います。何故裏側に回ったのかは記憶にありません。道に迷っただけかもしれませんし、景色の良さにつられていろいろ散策しただけなのかもしれません。しかし、この回り道は大成功でした。
見てくださいこの景色。素晴らしいでしょう?まるでガイドブックのようです。景色が綺麗だと感じたのは、この時初めてだったかもしれません。天気が良い日に、坂の上から見下ろす長崎の街並みは、死ぬ前に一度は見ておくべきだと思います。
そしてグラバー邸です。観光の要所ということもあって、かなり観光地化されていて、やたらとカップル誘致をしていたのが気になりましたが、景色も良くとても良かったです。天気も良く、観光客も少なく、私以外には大学生カップルが数組程度で、一人旅にはもってこいの環境でした。
数年後、2015年に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界遺産に登録されることになります。富岡製糸場と同じく、日本の近代化を語る上で欠かせない場所のようです。
グラバー邸を出て大浦天主堂に向かいます。地域によっては修学旅行の定番のようです。この時は国宝でしたが、2018年には世界遺産にも登録され、いまや国宝でもあり世界遺産でもあります。キリスト教が禁止されていた時代から、世代を超えて信仰を続け、この大浦天主堂で信仰を告白し、信徒発見に繋がったことはカトリック界では奇蹟と呼ばれているようです。拝観料が高かったので中には入りませんでした。
大浦天主堂から少し歩き、これまた定番のオランダ坂。普通の坂です。当時は外国人居留地の坂を「オランダ坂」と呼んでいたようで、この坂だけを指すものではなかったようです。今ではオランダ坂と言えばここですよね。この時は人はあまりいませんでしたが、数年後週末に訪れたら観光客でごった返していました。
原爆資料館へ
次は原爆資料館に向かいます。正直行くかかなり迷いました、、、かなり憂鬱な気分になりそうだったので、、、。ただ、はじめての長崎で、訪れない訳にもいかないと感じたので、路面電車に乗り長崎駅の反対側に向かいます。
平日の夕方ということもあってか、日本人はほとんどいませんでしたが、外国人観光客がかなりいました。核兵器が投下された土地として、海外でも広く知られているのでしょう。
資料館を一通り見た感想は差し控えます。覚悟していたより憂鬱な気分になりました。反戦や核兵器廃絶などの論説は「お花畑」と揶揄されることもありますが、これを見た後に同じことを言える人がどれほどいるでしょうか。一方で、今の世界の均衡は、大国が保有する核兵器によって保たれていることを否定することもまた難しいでしょう。加えて、非核三原則を掲げる日本が、同盟国の核を後ろ盾に外交を繰り広げていることも直視すべきかと思います。
## 港に戻る
そして長崎方面に戻り、出島で港を眺めます。ここも観光地化されていますが、とにかく景色が綺麗です。長崎はとにかく坂が多いですが、それが景観美の秘密なのでしょう。少なくとも港との相性は抜群です。街並みも奇麗なので、気の向くままに歩き続けます。
こんな普通の坂さえ魅力的です。もう3万歩くらい歩いたでしょうか。足が棒です。このあたりで携帯の電池が切れそうになり、google mapの使用を控えはじめます。あたりも暗くなり少し迷子になった記憶があります。だいぶ遠回りしてしまいましたが、道中ローカルなお寺等もあってあながち悪くなかったです。
旅の締めくくり。稲佐山へ
そして暗くなったので、駅に戻り最後の目的地である稲佐山を目指します。何やら稲佐山から望む長崎の夜景は、新三大夜景の一つとされ、1000万ドルの夜景と称されるようです。新〇〇とか〇〇万ドルと言うと少しいかがわしい感じがしますが、これだけ景色の綺麗な長崎ですから、きっと夜景も素晴らしいでしょう。期待に胸を膨らませ、結構距離がありますが、駅から稲佐山のロープウェイまで歩を進めます。
道中の河口にかかった橋からの夜景も綺麗です。これは間違いないでしょう。 そしてロープウェイの入口に到着しましたが、灯りが全くついていません。よく見ると、工事か何かで2週間ほど運休すると看板が出ていました。自分のチカラではどうしようも出来ませんが、これほど悔しい思いをしたことはありません。
アパ・ホテルへ
失意の中駅まで戻り、宿に向かいます。アパホテルを予約していました。確か1号と2号店があり、2号のほうで予約を取りました。チェックインの際、広い部屋が空いているから、と同じ料金で広い部屋に入れてもらえました。いかんせん初めての経験なので、大歓喜です。ベッドが2つ、部屋も2つあったと記憶しています。こんなとこ1人で入ってもいいのか?と感じるほどでした。喜びのあまりVODのカードを買い、朝の3時くらいまで、劇場版の「北斗の拳」を3作ほど見て楽しみました。阿部寛がケンシロウ役のやつです。
そんなこんなで最後の夜を過ごしました。途中、夜食を買いに近くのコンビニに行ったのですが、その帰り道、1匹の黒猫が私の前を横切りました。その時、「縁起が悪いな」と感じたのを覚えています。