極音超速で辿り着いた最果ては、あくまでも人によって作られた世界だった。突如として虚空に開いた大穴は、人類がこれまで積み上げてきた知識全てを飲み込んでいった。 新しい形で訪れた再生を前に、我々はただ俯くことしか出来なかった。 がらんどうの価値を、海に沈んだ碇のように重くなった体とともに引きずりながら、今日もあてもなく人は大地を彷徨うのだった。